この知識はこんな方におすすめ
- 達成感のある充実した毎日を過ごしたい
- 無駄な不安を抱えることなく前に進みたい
寝る前の20分で人生を変える方法
先日朝の20分の使い方で人生が変わるという話を紹介させてもらいました。 あることを今日だった20分行うだけで今日から人生が変わっていくというかなり興味深い研究がありますので、それをもとに紹介させてもらいます。 続きを見る
人生が当日から激変する【朝の行動】とは?
今回は寝る前の20分で人生を変える方法について紹介させてもらいます。
具体的には、不安感などが減り集中力が上がるので目の前のことに取り組みやすくなります。前回は朝に行うことで集中力や認知機能が高まるという話を紹介させてもらいましたが、実は同じように夜した方がいいこともあります。
今回紹介するのはシャットダウン・リチュアルとリハーサル・ループというものになります。
シャットダウン・リチュアル
寝る前にしてはいけないことについても色々と紹介させてもらいましたし、例えば、スマホなどのブルーライトの光が睡眠の質を下げるという話はよく聞くと思います。他にも睡眠の質を上げるための方法というのは色々とあります。
今回はそのようなものではなく、寝る前に行うことで脳をオフにしてしっかり休ませることにより翌日の脳のパフォーマンスを上げていくという習慣になります。
以前、集中力を上げたり目の前のことに取り組みやすくするためにとても参考になると思い皆さんにも紹介させてもらったことのある『カル・ニューポートの大事なことに集中する』という本がありますが、これは現在の気が散るものであふれている世界の中でどのようにして生産性を上げていけばいいのかということを解説してくれている本です。今回のおすすめの本としてはこちらを紹介させてもらっておきます。
このカル・ニューポート氏はコンピュータ・サイエンスの専門家でもあり、生産性を上げるためにどうすればいいのかということを色々と調べています。
彼が推奨している方法でシャットダウン・リチュアルというものがあります。
これは1日の終わりや仕事の終わりに時間を取り、その日一日を締めくくる儀式のようなものを行った方がいいというものです。この儀式とは、今日やるべきことを全部終わらせたということを脳に教え込む必要があるということです。これをしないと人間の脳は緩やかに動き続けてしまい、いつまでもオフにならないということが起きます。僕にならないと疲れを引きずってしまい翌日に自分の本来の力を発揮することができなくなるということです。
自分の脳を一旦オフにするための儀式とはどのようにすればいいのでしょうか。
それは明日の予定や明日やるべきことを書き出すことによって人間の脳は落ち着きリラックスすることができるということがいわれています。
ですから、よく日記を書いたり今日したことを振り返るということをする人もいると思いますが、それをするよりも、どちらかというと明日どんなことをするのかということを書き留めるということをすると、人間の脳は明日のことに切り替わり今日はリラックスしようとなるので落ち着くそうです。
何かがずっと気になってしまうリハーサル・ループ
この方法については他の研究者もコメントされていて、例えば、神経科学者のダニエル・J・レヴィティン氏によると、人間は何かを気にかけているとそれを忘れることを脳が恐れてしまいます。脳の灰白質という場所がありここが常に動いている状態になってしまいます。
この恐れている状態になるとリハーサル・ループという一連の活動をするようになってしまいます。
このリハーサル・ループというものが起きた状態は、自分の気になっていることがずっと頭の中でリハーサルされてしまい、何かがずっと気になってモヤモヤしているような状態です。
これが起きると心配事がおさまらなくなってしまったり寝付けなかったり、ずっと心が休まらない状態になってしまいます。
こうなってしまうと、脳は寝ている間に休まることもなくなります。寝ている間に人間の脳は記憶の整理などもしていますので、これもできなくなってしまうことでその日に勉強したことや経験したことが脳に定着しないということも起きて、様々な問題につながってしまいます。
ですから、仕事の終わりは1日の終わりにこのシャットダウン・リチュアルをちゃんと行わないと、皆さんの脳は延々と何かを気にし過ぎてしまいます。
仕事が終わった時、勉強が終わった時、寝る前など自分で時間を決めて、この時間になったらリラックスしようという時間を決めてください。
その決めた時間になったら明日の計画を立てることによって、このリハーサル・ループや心配事のループをしてしまう脳の活動をオフにすることができるようになります。そうすることによって僕たちの脳は翌日にちゃんと備えることができるようになるわけです。
昨日もおとといもずっと同じことを気にしているような人がいると思います。ずっと同じことを気にしてばかりで仕事が進まない人がいると思いますが、このような人はシャットダウン・リチュアルを行うことができていないので、その日その日の切り替えが終わっていません。
皆さんは是非仕事が終わった後、あるいは、遅くても寝る前までにはシャットダウン・リチュアルを行って明日の予定を立てるということを行ってみてください。
明日の予定を立てる際のポイント
この明日の予定を立てる時のポイントもいくつか見つかっています。
もちろん、明日しようと考えていることを書き出すことは大事ですが、おすすめとしては、ToDoリストはやめておいたほうがいいです。ToDoリストはやろうとしていることが多くなりすぎてしまうということが分かっていますので、明日やるべき事ややろうと思う事を書き出してしまうと、とで明日1日では終わらない量を書き出してしまうようになってしまいます。そうすると当日半分しか終わらなかったということになってしまうと、自分を否定するような感情を持ってしまうことになります。
ですから、ToDoリストを作るよりは予定として立てた方がいいです。カレンダーアプリやスケジュール帳にその仕事が30分ぐらいで終わると想定したらその2倍の1時間ぐらいの予定としておきます。ToDoリストではなく現実的な予定のリストとしたほうがいいと思いますので、スケジュールに予定を入れるということをしたほうがいいと思います。
スケジュールをあらかじめ決めておいても、なかなかその通りに進まないとか、予定通りにいかないから面倒になってやめてしまったという人もいると思います。
明日の予定をちゃんと終わらせるための僕が使っている方法を今回は2つ紹介させてもらいます。
これを使うと、段違いで明日の予定はスムーズに進み、シャットダウン・リチュアルも楽しく行うことができるようになります。ここまでを行うと10分から20分ぐらいはかかると思いますので、寝る前、もしくは、仕事終わりの20分で人生を変えるということにつながるわけです。
1. 障害と対策を書く
これは以前紹介したことがありますが、WOOPの法則という目標の達成率を2倍に上げる方法があります。 誰でも計画倒れをしてしまったという経験があると思いますが、計画倒れの主な原因は3つあります。 計画倒れの3原因 ①そもそ ... 続きを見る
2倍も倒れない計画の立てかた
僕たちは、目標を立てたり目標を叶えたらどんないい気分になるのかということを考えますが、その目標が達成できそうになくなったら、あるいは、スケジュールが狂い始めたり、やるべきことができなかったらどうするのかという障害と対策をなかなか考えることができていません。
それを考えないから、絵に描いた餅のようになり目標に対する達成率が低くなってしまうわけです。
ではどうすればいいのかと言うと、まずは先ほど説明したように、シャットダウン・リチュアルを行い明日のやるべきことをスケジュールとして書き出してください。
そして、そのやるべきことができなかったらどうするのかという障害と対策を考えます。
例えば、明日の予定を作ったらそれを眺めながら考えるわけです。この予定通りに進まなかったとしたらこの予定の何が明日狂うのだろうかということを考えます。そう考えると、明日起きるのが遅くなってしまうとか、夜にアニメを一気見してしまい寝るのが遅くなってしまう可能性があるとか、午前中急に上司に仕事を振られて1日の予定がうまくいかなくなるかもしれないというように想定できる失敗したりうまくいかない可能性を予定を立てた後に書き出してください。
さらに、その障害を書き出したらその一つ一つに対して対策も書いていってください。
例えば、朝起きるのが遅くなってしまったら予定通りに進まないかもしれないと考えたのであれば、予定自体を変えてください。明日は頑張って6時に起きて予定を進めようと考えていたけれど、もしかすると疲れが溜まっているので6時半とか7時ぐらいになってしまうかもしれないとしたら、最初からそこに余裕を持った時間設定にしておいてください。
その上でもし予定通り6時に起きることができたとしたら、そこに余剰時間が生まれますので余裕をもってその後の予定を進めることができますし、もし障害として考えていた通りに起きるのが遅くなったとして元々余剰時間として考えていたわけですから、その後の予定が狂うこともありませんし自己嫌悪に陥ることもなくて済みます。
このように障害と対策も合わせて考えることによって、計画というものはより具体的になります。
この具体的にするところまで行うのがシャットダウン・リチュアルです。
そこまで行うと、明日起きれなかったらどうしようかとか、明日やらなくてはいけないことがたくさんあるからどうしようかというような無駄な心配もなくなり、ちゃんと脳と体を休めることができるようになります。
ですから、明日やるべき予定を立てたら、必ずその予定が崩れることがあるとしたらどのような可能性があるだろうか、そして、予定が崩れないようにするためには根本的にどのような対策をするのかということまでを書いておいてください。
その対策は思い浮かばなくても基本的には大丈夫です。
なぜかと言うと、朝寝坊してしまうかもしれないとかアニメを一気にして夜更かししてしまうかもしれないというようなことを一度頭に留めておけば、実際にアニメを見そうになったとしても、これをしてしまうと明日の予定が来るから今日はやめておこうと考えることもできます。自分を抑える能力も高まるわけです。予測できるものに対しては人間はコントロールしやすくなります。
2. 飽きを防ぐために「試したいこと」で好奇心を
そして、もうひとつは、人間は好奇心があった方がいろんなことを試したいと思うものです。
ですから、明日やるべきことだけではなく、僕は、明日試すことも入れています。
皆さんも毎日たくさんのやるべきことややらなくてはいけないことがあると思いますが、1日の仕事の時間の全ての時間をそのやるべきことで埋めてしまうと、義務感しかなくなってしまいます。
僕のおすすめとしては、1日の予定の3割程度は試したいことにしてください。やるべきことだけではなくやるべき予定は7割ぐらいにして、残りの3割だけやってみたいことを入れるようにしてみてください。
例えば、今日の朝運動して昼間に眠くなってしまったというのであれば、その朝の運動を明日は少し軽めにしてみようかとかでもいいですし、逆に、朝運動しなかったから1日なんとなくぼーっと過ごしてしまったというのであれば、朝の運動を試してみようというように、その日の反省も含めた明日試してみたいことを3割ぐらい予定に含めておくわけです。
そうすると、何かを試してみようとか変化をつけてみようと考えると、もちろんそれは自分の成長にもつながりますし飽きることがありません。
予定が思うように進まないというわけには飽きるということもあります。ですから、挫折と対策だけでなく飽きる対策としての試したいことも明日の予定に含めるようにしてください。
このようにしていただけると、翌日の予定が予定通りに進む可能性が高くなります。
予定通りに進まない挫折も防ぐことができるようになりますし、寝る前に脳を休めることにもなりますので、仕事終わりや寝る前の20分で「明日の予定を細かく立てること」、「障害と対策を考える」ことでその予定を現実的にする、飽きを防ぐためにも「今日の改善点も含めた試したいことを予定する」ということをぜひ実践してみてください。
今回のおすすめの本としては『カル・ニューポートの大事なことに集中する』を紹介しておきますが、このような計画の立て方や効率的な準備の進め方については『倒れない計画術:まずは挫折・失敗・サボりを計画せよ!』という本を出していますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
失敗しない計画の立て方をできるようになると、将来に対する不安がかなり少なくなります。もちろん将来のことが見えないという不安もあると思いますが、計画を立ててもどうせうまくいかないだろうと考えてしまうと、明日が怖くなってしまいます。
それを防ぐためには、できなかったことがちゃんとできるようになる正しくて無理のない計画を立てる必要があります。
今回紹介したようなちょっとした工夫をしたり小さなコツを使うだけで達成率は2倍にも3倍にもなります。今回のおすすめ動画としては“できなかったことをできるようにする「科学的に正しい計画」の立て方 ”を紹介しておきます。ぜひ合わせてチェックしてみてください。
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リサーチ協力
Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
本内容は、参考資料から考察した科学の面白さを伝えるエンタメです。あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:Eric Barker(2017) Barking Up the Wrong Tree: The Surprising Science Behind Why Everything You Know About Success Is (Mostly) Wrong